菊池寛実記念智美術館で藤本能道展
2019年 08月 09日
菊池寛実記念智美術館のイベントに参加してきました。
美術館の許可をいただいて写真撮影をしています。
場所は虎ノ門、隣は建替え中のホテルオークラ。
暑い暑い中、急な江戸見坂を登ってやってきました、
シックでモダンなたたずまいの智美術館です。
藤本能道さんは色絵磁器を富本憲吉に学んだ陶芸家です。
まるで油彩のような色絵。
これが焼物なんですよ~。
そのために絵の具を改良し、
焼付けを研究し、
いろんなことに取り組んだようです。
こちらのこのはずくの絵は、
とまっている枝の葉に感激。
奥と手前の描き分け、遠くの枝と手前の枝のピントの違いなど
驚くほどの釉彩です。
こちらもこのはずく。
前出のものより描き方がほわ~としてきています。
リアルにそのまま描くことだけでなく
もわっとした印象的な絵になってきています。
箱そのものの形にもやわらかさが出ている気がします。
こちらは1976年に開催された茨城県下の植樹祭の折に
菊池家の宿泊施設に昭和天皇皇后ご夫妻が宿泊、
晩餐用に菊池智さんが藤本さんに依頼して作ったディナーセット。
総数230ピースというからものすごい!
それを制作依頼した菊池家もすごい!
使用されたのはそのとき1回のみっていうのもすごい!
もったいない、というかものすごいというか・・・
お皿はどれも丸くなく、角のあるものでした。
藤本さんは青梅にアトリエを構え、
普段から樹木、鳥、昆虫など自然を観察していたそうです。
蝶のスケッチは、標本からのスケッチのようです。
というのも大半が台湾の蝶だから。
超リアルでびっくり。
細密画です。
後半は昆虫を題材にした作品が増え、
それもリアルなだけでなく幻想的なものも多数。
1つだけ開いて中を見せていただきました。
中は幾何学的な模様が描かれていて、
富本の影響を思わせる色絵。
昆虫のいる幻想的な色絵磁器。
今まではかわせみやこのはずくの作品が印象的でしたけど
今回は昆虫シリーズも強く心に残りました。
こんな陶板絵、我が家にあったらステキだな~。
菊池寛実記念智美術館はたくさんの藤本作品が所蔵されています。
これを定期的に展覧会で披露していくことも
この美術館の使命のひとつだと学芸員さんがおっしゃっていました。
今年は生誕100年にあたるそうで、
かなりの作品展が出ている展覧会です。
若いときの八木一夫たち走泥社の影響を受けたかのような作品、
練りこみの作品などもありました。
暑い夏の日のひと時を涼しい美術館で、
ぜひお出かけください~!
なお、普段は作品の写真撮影はできません。
菊池寛実記念智美術館